現代社会と報徳思想
日本は明治維新以降、欧米の合理主義精神を吸収しながら、世界第2位の経済大国にまで発展してきた。
しかし、この輸入した合理主義の経済社会システムの偏重は、近年、利益第一主義を推し進め、「大量生産、大量消費、大量廃棄」を生み、「モラルよりモノ・金」を優先させることになり、多くの問題(資源の浪費、食料自給率の低下、環境破壊、家庭・地域の軽視、企業の犯罪等)を噴出させることになってきている。
こうした中で、「経済一辺倒もだめ、道徳一辺倒でもだめ、道徳経済が一体となった社会でなければならない。」と道徳と経済一元化を説いた尊徳の思想が、改めて再評価される機運が高まっている。
すなわち、現代人の多くは経済的拡大を目指すあまり、権利意識、自己中心的風潮を高めすぎており、「道徳を忘れた経済は罪悪である」を行なっているといっても過言ではない。
現在、良識のある人たちの中には、この現状認識の下に、尊徳のいう「一圓融合」の中での「分度」を考え、調和の取れた「持続的発展」を維持するための行動に移ろうとしている。
国外にあっても、中華人民共和国においては、北京大学日本文化研究所が中心となって、この尊徳の思想である「報徳」の考え方を評価しつつある。
二宮尊徳思想国際シンポジウム
